抵抗性四倍体と感受性二倍体の交雑におけるじゃがいも疫病抵抗性
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概要
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じゃがいもの疫病圃場抵抗性作出を目的とする伝統的な戻し交雑に代わるものとして、広い遺伝的背景をもち、少なくとも一種類の病虫害抵抗性をもつ疫病感受性の二倍体を選択して、疫病に対して安定した圃場抵抗性をもつ四倍体と交雑した。疫病圃場抵抗性以外の望ましい形質を遺伝させる方法として、二倍体における第一分裂還元型全数性花粉をこれらの交雑に使用した。圃場抵抗性をもつほとんどの四倍体の母本は、圃場抵抗性品種と同様の後代を形成し、疫病抵抗性程度の大幅な減少は見られなかった。感受性の両親の交雑からも圃場抵抗性の後代が観察され、疫病の圃場抵抗性は複数の遺伝子によって支配されていることが示唆された。圃場抵抗性の親から比較的高いレベルでそれらの後代へ疫病の圃場抵抗性が受け継がれたことは、複数の病虫害抵抗性をもつ後代を得るためには、第一分裂還元型全数性花粉を使用すれば、疫病圃場抵抗性をもつ四倍体の集団を、疫病圃場抵抗性以外の抵抗性をもつ二倍体の集団と交雑できる可能性を示している。
- 近畿大学の論文
著者
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渡邉 純子
筑波大遺伝子実験センター
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渡邉 和男
筑波大遺伝子実験センター
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渡邉 純子
Department of General Education, Kinki University
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渡邉 和男
Department of Biotechnological Science, Kinki University
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Ortiz Rodomiro
Department of Agricultural Sciences, The Royal Veterinary and Agricultural University
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Ortiz Rodomiro
Department Of Agricultural Sciences The Royal Veterinary And Agricultural University
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