有機および既成の栽培法による機械および手による剪定を施したコンコード品種の収量及び果実品質の構成要素の比較及び、葉面積伸長との関係
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
異なった剪定法及び、栽培方法を施したコンコード品種の1993年及び1994年の収量及び果実品質の構成要素の比較を行った。1993年では、剪定法の違いは、収量と果実品質の構成要素の両方に影響を与えたが、栽培方法間での収量の構成要素の差異は、ほとんど見られなかった。既成の栽培方法を施したブドウ樹の可溶性固形物は、有機農法のそれより、統計的に有意に高かったが、果粒の色素ついては、栽培方法の違いによる有意な差異は見られなかった。1994年の収穫においては、機械により剪定されたブドウ樹の収量は、手による剪定を施されたものよりも、有意に高い収量をあげた。栽培方法間の有意な、収量の構成要素および、果実品質の構成要素への影響は見られなかった。光学的方法により測定された、ぶどう樹の葉面積と収量及び、果実品質の構成要素との相関関係も調べられた。固定した関係は見られなかったものの、成長初期の葉面積が、成長中期及び後期の葉面積より、より収量の構成要素に相関していた。1993年では、成長初期の葉面積は収量に対して、正の相関が見られた。一方、1994年は、収量及びほとんどの収量の構成要素は1993年及び1994年の成長初期の葉面積に対して、負の相関が見られた。果実品質の構成要素と葉面積の間には、高い相関関係は見られなかった。この結果は、コンコード品種の果実品質は樹冠の微環境、特に光の環境からは大きな影響を受けないことを示唆しているのかもしれない。また、コンコード品種においては、成長初期の葉面積が最大収量の潜在性を示唆しているのかもしれない。しかしながら、潜在する最大収量を可能にするには、例えば、成長後期の水不足などの、収量を減少させる要因を除かなければならない。
- 近畿大学の論文
- 1999-10-25
著者
-
渡邉 純子
筑波大遺伝子実験センター
-
渡邉 和男
筑波大遺伝子実験センター
-
渡邉 純子
Department of General Education, Kinki University
-
M. Pool
Department of Horticultural Sciences, Cornell University
-
渡邉 和男
Department of Biotechnological Science, Kinki University
-
M. Pool
Department Of Horticultural Sciences Cornell University
関連論文
- 遺伝子組換え植物とジーンフローII : 4x x 2x交雑における予測
- 遺伝子組換え植物とジーンフローI : 2倍体集団における予測
- 高等植物における異物代謝に関連したヒトCYP1A1,CYP2B6及びCYP2C19遺伝子アナログの探索
- 有機および既成の栽培法による機械および手による剪定を施したコンコード品種の収量及び果実品質の構成要素の比較及び、葉面積伸長との関係
- 抵抗性四倍体と感受性二倍体の交雑におけるじゃがいも疫病抵抗性
- 有機栽培および慣行栽培下のぶどう品種コンコードにおける機械剪定および手剪定後の葉面積成長の違い
- ミャンマー在来トマト遺伝資源のSSRマーカーを用いた多様性評価
- 高温地域における生存率と収量によるバレイショの青枯病抵抗性評価
- バレイショにおける4x×2x交雑後代での複数の病虫害量的抵抗性系統の頻度