有機栽培および慣行栽培下のぶどう品種コンコードにおける機械剪定および手剪定後の葉面積成長の違い
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概要
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1993年及び1994年、異なる栽培及び剪定を施したぶどう品種コンコードについて、成長期の樹冠の葉面積を比較した。葉面積の比較は、LAI 2000 Plant Canopy Analyzerで光学的に求め、葉面積指数(leaf area index,LAI=葉面積/基礎となる地表面積)を用いて行った。コンコードの樹冠の葉面積は栽培法、剪定法のいかんにかかわらず、シュートの成長に伴ってS字型に推移した。すなわち、開花の直後まで指数曲線を描いて拡大し、その後、拡大率は減少した。実験が行われた両年とも、手で剪定したぶどう樹の葉面積は、成長の初期には機械で剪定したぶどう樹の葉面積より小さかったが、両者の差はその後小さくなり、成長後期には有意な差が見られなくなった。手で剪定したぶどう樹の葉面積が成長の初期に小さかったのは、1)シュートの数が少なかったこと及び、2)成長初期のシュートの伸長率の、剪定法による違いが小さかったことによる。また、成長に伴って両者の差が縮小したのは、手で剪定したぶどう樹の側枝が急速に成長したためである。一方、全成長期を通して、有機栽培のぶどう樹は、慣行栽培のぶどう樹に比べて樹冠の葉面積が有意に小さかったほか、シュートが短く、一本のシュートあたりの葉の数が少なく、一枚あたりの葉面積が小さく、また、ぶどう樹一本あたりのシュートの数も少なかった。栽培法による樹冠葉面積の差は、成長が進むほど増大していった。
- 近畿大学の論文
著者
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渡邉 純子
筑波大遺伝子実験センター
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渡邉 和男
筑波大遺伝子実験センター
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渡邉 純子
Department of General Education, Kinki University
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渡邉 和男
Department of Biotechnological Science, Kinki University
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プール ロバート・M
Department of Horticultural Sciences, Cornell University, New York Agricultural Experimental Station
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プール ロバート・m
Department Of Horticultural Sciences Cornell University New York Agricultural Experimental Station
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