コラージュ療法の起源とその発展および看護における現状と課題
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概要
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美術の一技法であるコラージュの成立とコラージュ療法へ発展した経緯を述べた。日本では,従来の箱庭療法を踏襲した個人心理療法としてだけでなく,独自の技法として集団にも応用され,急速な発展を遂げている。その理由について考察すると共に,わが国のコラージュ療法の起源と歴史の間違いが,心理臨床界を混乱させていることにも触れた。ついで,日本のコラージュ療法以前に精神分析を背景とした集団療法,評価法としてアメリカ作業療法で導入された経緯について述べた。看護領域でもコラージュ技法は有用なスキルとして今後の活用が期待されるが,それには,アメリカにおける作業療法の実践から学ぶべき点が多いことを述べた。コラージュ療法の看護における現状と課題については,主な実践領域である精神看護の実践的な事例研究を通して,導入の目的,意義,有用性について明らかにした。今後の展望として,その汎用性からさらに集団での多用が考えられ,自己理解・他者理解,職業訓練,コミュニケーションの促進,心の健康や人間理解に役立つ開発的カウンセリングへと活用の幅を広げていく可能性が大きいことを示唆した。
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