大学におけるファカルティ・ディベロップメントに関わる授業アンケート結果の特性解析

概要

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本研究は、ファカルティ・ディベロップメントにおける重要な役割を担うと見込まれる授業アンケートを対象として、その集合情報としての特性に統計学的検討を加えた。調査対象者は、女子大学の家政学部専門課程に在籍する学生491名である。質問内容は、学生自身への問いかけ、教員の授業方法、教員の授業内容の3部構成とした。その結果、授業アンケートの設問作成における設定意図が、学生たちの評価においても表れていると見ることができた。また、因子スコアの分布特性から、高い評価を与える学生群と低い評価を与える学生群が並存することが読み取れた。こうした特性は、主成分ごとの各授業科目の因子スコアの平均値とそれぞれの標準偏差の関係にも表れていた。また、学生たちにとって、受身の座学よりも自らが参加しうる実習系の授業に対する評価が高くなる傾向が存在することが認められた。以上のように、授業アンケートの理解においては、個別の平均値の多寡にのみ焦点を当てるだけでは不十分であり、統計学的な観点が不可欠と考えられた。
2008-12-05