観光の授業における学習者の体験と知識を活用した教授法
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概要
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観光教育の広がりは,観光教育研究への関心を高めるが,多くはカリキュラム編成や教育を取り巻く産業界との連関に注目する傾向がある.観光教育の実行にあたって,観光研究者達の問題意識や社会情勢がカリキュラムを規定するポリティックスが存在し,それに依存するためである.この視点での研究は重要であるが,同時に教育行為そのものの状況と成果に着眼する必要があり,そのためには学習者の学びへの注目が不可欠である.これは,教育学や教育方法学の領域では,重要な問題とされる.同様に,観光教育においても,教授観の転換や教授技術の開発が求められることは必然である.本稿は,実際の授業で観光はどのように教えられるべきかという問題意識から,教育の実態を示し,筆者がこれまで試みてきた知識基盤に基づく観光の授業モデルを再検討している.学びに重要なことは,形式的な知識の獲得だけでなく,学習者が観光経験を活用しながら観光のリアリティを感じ,その過程で自らの知識を変化させていくという学びである.そして,この授業モデルに必要な環境を設定し,複数の教員により授業実践が行われた事例を考察すると,その成果が確認できた一方で,教員間によって学習者の評価には差が生じることがわかった.教育実践においては,やはり教員の実際の指導法が重要な要素となっており,この実際を今後さらに研究対象として取りあげていく必要性がある.
- 日本観光ホスピタリティ教育学会の論文
- 2006-03-11
著者
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