自己受容性とものの知覚の関わりについて
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概要
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本研究では、自己受容性とものの知覚・捉え方との関係について検討した。知覚課題には、一般職業適性検査のうちの4課題(形態知覚、書記的知覚、および、知的能力と重複しない空間判断力に関する下位検査)とロッドフレームテストによる空間定位が課せられた。自己受容性は自己受容尺度(SASSV,板津,1989,1993)にて測定した。被験者は、先行してSASSVを受験した候補者の中から、SASSV 9群別評価構成下位群ごとに選ばれた男性大学生70名(第1群:14名、第2〜9群:各7名)であった。自己受容性とものの知覚の間には、後者の刺激条件によっては関連があることが見いだされた。しかしながら、ここで見いだされた関係は、自己受容性全体との関係より、これを構成している下位概念とのあいだのものが中心であった。すなわち、SASSV下位尺度のうちでは、Fac.III:情緒不安定でないことやFac.IV:自信・自己信頼に欠けていないことが、そして、基調特性レベルでは、特性II:自己の行動基盤となる内面的な安定感の程度とものの知覚との間に関係が見出された。そして、ものごとを知覚する際の知覚者側の要因としては、対象から得られる情報を正確にかつ自信をもって受け止められるような、こころの安定感が重要な役割をはたしているのではないかということが考えられた。
著者
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