自己受容性の研究(3) : TST記述にあらわれた自己態度との関わりについて
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概要
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本研究では,自己受容性とTSTに記述された自己態度との関係について検討した。その結果,自己受容性の5指標の下位群間の記述内容カテゴリー出現率に差が認められなかったのに対し,対象へのかかわり方ではPBQをのぞく4指標の下位群間に出現率の差が認められた。なお,後者で差が認められたのは,もっぱら対象1.:自己の特性に対する態度的評価でのかかわり方によるものであった。自己・自己概念は静止状態にあるのではなく,流動的な過程であるといわれている。ここで得られた結果からは,この流動的な部分は自己へのかかわり方,あるいは,評価や態度についてであり,感じられ,気づかれる自己の枠組みは比較的安定していると考えられる。SASSVの4群別総合評価法は仮説の段階であるが,この4群間の対象へのかかわり方での出現率,特に対象1.でのそれに差が確認された。さらに,それぞれ上位群になるにつれて自己肯定的な記述の出現率が一様に増大し,下位群になるにつれて自己否定的な記述の出現率が一様に増大する。このような結果は,この評価法の有効性を支持するものと言えよう。
著者
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