魚介類のタウリンに関する研究 : 1.軟体類の調理過程におけるタウリン含量の変化について
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概要
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スルメイカのタウリン含量を組織別に調べるとともに,調理後のタウリン含量の変化を見るために,外套筋の茄で操作後のタウリン含量について比較・検討した。さいたま市内の鮮魚店で購入した青森県産生食用スルメイカ3個体を用い,個体別,組織別に80%エタノール抽出液を調製した。イオン交換樹脂を用いてタウリンを単離し,ニンヒドリンによる比色定量を行った。タウリンが,最も多かった組織は鰭で1077±174mg(組織100g中,以下同様)で,次いで肝臓,腕筋の順で,最も少なかったのが外套筋351±18mgとなった。筋肉組織を比較すると,外套筋のタウリンは5%の危険率で腕筋,鰭より少なく,外套筋はタウリン含量において最も少ない筋肉組織であることが判明した。茄で操作においては真水で茄でた外套筋のタウリンが2.71±0.42mg/g,および2%食塩水で茄でた外套筋が2.15±0.19mg/gと,両者とも生試料との間で有意に減少し,茄で汁にもタウリンがかなり検出された。以上の結果から外套筋のみならず鰭,腕筋,肝臓なども積極的に食すこと,加水調理をする際には,煮汁も残さず食すことのできる調理法を用いることでタウリンを効率よく摂取することができることが示された。
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