ラット顎下腺ミクロソームのアシル-CoA:1-アシル-sn-グリセロール-3-ホスホコリンアシルトランスフェラーゼの成長に伴う活性上昇

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概要

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ホスファチジルコリンは,生体膜リン脂質の主要構成成分であり,エイコサノイド前駆体の多価不飽和脂肪酸の貯蔵部位である.その脂肪酸導入にはリン脂質再アシル化系酵素の一つである1-アシル-sn-グリセロール-3-ホスホコリンアシルトランスフェラーゼが関与する.そこで,ラット唾液腺の成長に伴う本酵素の活性変化について検討した.ラット顎下腺,耳下腺の湿重量は,3から9週齢に成長するにしたがってそれぞれ3および2倍に増加した.3週齢の酵素の比活性は,肝>顎下腺≧耳下腺の順であり,アシル-CoAに対する基質特異性は3組織間でほとんど変わらなかった.しかし,3週齢から10週齢に成長した顎下腺では,アシル-CoAに対する基質特異性,Km値は変化することなく,酵素活性が4〜7倍に上昇した.この変化は耳下腺,肝では観察されなかった.これらの結果は,顎下腺の生後成熟過程に多価不飽和脂肪酸導入酵素が特異的に寄与している可能性が示唆された.
朝日大学の論文

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