森林資源の構造変化が素材生産業者に及ぼした影響 : 1990年代におけるアメリカオレゴン州を事例として
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概要
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1990年代,アメリカオレゴン州における木材生産の対象は,マダラフクロウ問題による国有林の伐採量激減を背景に,国有林から私有林へ,天然林から人工林へ,大径木から小径木へとシフトしつつあった。このような森林資源の変化は,カーブソウ製材という小径木加工技術の導入による木材加工体系の再編,ウェアハウザー社の企業買収による森林資源の再編など,アメリカオレゴン州林業に構造的変化をもたらし,素材生産のあり方にも大きな影響を及ぼすことになった。まず,事業量の減少によって素材生産業者が減少するとともに,資源の変化によって生産性が向上し,生産の中心地の移動がもたらされた。こうした変化に対してウェアハウザー社は,国有林への依存を弱め,自社有林を中心とする生産体制の構築を目指した。これにより,素材生産コストは低く抑えられ,オレゴン州における素材生産業者間の競争は一段と激化した。さらにこうした一連の動向をもたらす引き金となったのは環境問題であったわけだが,その環境問題は素材生産業者に対して新たな役割,「環境時代の素材生産」を要求し,素材生産業者はそれに応える動きを展開した。
- 林業経済学会の論文
- 2006-03-01
著者
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