熱帯林の農地転換:人口増加・道路建設・移住事業の影響 : インドネシア・スマトラ島におけるゴム栽培農村の事例
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概要
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本稿では,スマトラ島の一ゴム栽培農村における実態調査をもとに,人口増加,道路建設,そして移住事業が熱帯林の農地転換に与えた影響について考察した。全311世帯から任意抽出した40世帯の聞き取り調査結果から,次のことが明らかになった。(1)村の森林減少は,人口増加による以上に村人の森林伐開行為が活溌化したことにより加速したものであった。(2)森林伐開行為を長期にわたり活溌化させた要因は道路建設による地代上昇であった。というのも,道路建設がゴム輸送のコスト削減・時間縮小を招いて奥地におけるゴムの収益性を上昇させた結果,村人のゴム林拡大意欲が刺激され,森林伐開行為が加速したのである。(3)一方,移住事業開発は村の慣習的土地所有の不安定化を招いて村人の森林伐開行為を活溌化させたものの,その影響は事業開発期間に限る一時的なものであった。
- 2003-11-01
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