インドネシア・スマトラ島のゴム栽培農村における熱帯林転換と土地所有格差の関係および格差拡大の要因
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概要
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本稿では,インドネシアにおける森林の農地転換の中でも小規模農家の代表的樹木作物であるゴムへの転換を取り上げ,森林消失が地域住民の貧困を悪化させるかについて検討した。スマトラ島ジャンピ州のゴム栽培農村4村における160世帯の調査結果をもとに,まず熱帯林のゴム転換とゴム園所有規模の格差との関係を明らかにし,次にゴム園所有格差が拡大する要因として土地取得方法と土地売買の影響を考察した。その結果,1)ゴム園所有面積のローレンツ曲線から,森林転換が進行した村ほどゴム園所有規模の格差が大きく,森林消失後も格差が拡大することが示された。2)森林が残る間は森林伐開がおもな土地取得方法であるものの,森林転換の進行に伴い購入や相続による規模拡大が進展した。3)森林が消失した村では土地売買を通して村人の土地がゴム仲買人へと移動集積し,その結果,突出した大規模所有者が誕生する一方で零細化する世帯が増加して土地所有の不平等性が拡大した。
- 2006-04-01
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