1990年代の紙・パルプ産業における生産・資本動態と海外展開
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本稿は,1990年代の紙・パルプ産業における生産と資本系列の動態を分析し,環境問題対応や海外進出に関しても検討したものである。1990年代の紙・パルプ産業では,王子製紙や日本製紙といった大資本による各資本の系列化が事実上完了する一方で,バブル崩壊以降のデフレ調整下にあって製品価格が下落を続け,各社の収益は圧迫された。こうした状況に対して各社は,不採算部門の廃棄や,新鋭設備による増産を通じた単位コスト低減といった生産体制の再構築によって対応した。また,各社は海外植林や古紙利用といった環境問題への対応を前面に押し出している。海外植林は1990年代後半にさらに進展したが,他方,海外市場獲得を目指した直接投資は包装材料や特殊紙などの分野に限られている。
- 2001-12-15
著者
関連論文
- 紙・パルプ資本による古紙消費の構造と古紙回収業者の実態
- ニュージーランドにおける資源管理制度の現状と課題 : 新自由主義改革と資源管理
- 1990年代の紙・パルプ産業における生産・資本動態と海外展開
- 中小資本による古紙を原料とした家庭紙生産に関する研究
- 「森林国有の現段階的意義と課題」に参加して(1997年春季大会コメント)
- 発展途上国の森林に及ぼす世界経済の影響に関する史的考察