高齢者施設における身体拘束廃止に関する介護・看護職員の意識について
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概要
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今回の調査では、介護・看護職員が「身体拘束である」と認識している行為は、全体的に徘徊・転落防止のために、車椅子、ベッド等に身体活動や自由な動きが出来ないように制限すること、また、居室への隔離、施錠することであることが明らかになった。一方、「拘束であるがやむを得ないと思う」の行為として点滴・経管栄養等のチューブの抜去防止のため及び皮膚をかかないように手袋をつける等の行為であった。また介護・看護職員の熟練度による身体拘束への意識の相違を見たが、特に見られなかった。これは「身体拘束」について組織全体として取組みが行なわれ新人、熟練者との差がなくなった成果ともいえる。また、職種による相違についても看護師は「ベッドを柵で囲む」、「点滴・経管栄養等チューブの抜去防止のための行動抑制」、「ずり落ち防止のために拘束帯をつける」等について「拘束ではない」及び「拘束であるがやむを得ない」とする意識が強かった。また、廃止に向けて何が必要かについては、介護福祉士は「基本的なケアの見直し」、「QOL(生活の質)を考えることが必要である」としている。また、拘束廃止に向けて熟練者は新人より「拘束をなくす意欲を持つ」ことが必要であるとしている。今後にむけて、介護職・看護職の認識の相違、高齢者の認知症・状態の適切なアセスメント、また拘束廃止に向けての代替方法である介護用具・介護の工夫が重要な課題といえる。
著者
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