血液透析患者の長期生命予後予測因子としての透析後の血漿ANPとBNP濃度の有用性 : 15年間の予後調査

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概要

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• 透析患者52人において心胸比を透析前に,収縮期血圧,血清アルブミン,血漿心房性ナトリウム利尿ペプチド(atrial natriuretic peptide ; ANP),脳性ナトリウム利尿ペプチド(brain natriuretic peptide ; BNP),血漿レニン活性(plasma renin activity ; PRA),血漿ノルアドレナリン(plasma noradrenaline ; PNA)濃度を透析直後に測定した.患者は上記測定の中央値で高低2群に分けてKaplan-Meier (KM)生存曲線を求め,両群の比較をLogrank法で行った.生存期間に及ぼす因子解析は測定値を説明変数,生存期間を目的変数としてCox比例hazard法で行った.いずれもp<0.05を有意と判定した. 15年間で43人が死亡し,うち40人が病死であった. KM生存曲線は高年齢群(p<0.001),高ANP群(p=0.006),高BNP群(p=0.039)で有意に生存期間が短く,心胸比,収縮期血圧,血清アルブミン, PRA, PNAにおいては高低2群間に有意差を認めなかった. Cox比例hazard法による単変量解析では年齢(p<0.001),心胸比(p=0.011), ANP (p=0.003), BNP (p=0.002)が生命予後の有意なリスク因子となり,多変量解析ではp値は年齢<0.001,心胸比0.965, ANP 0.055, BNP 0.041となり,年齢とBNPが生命予後の独立したリスク因子であった.以上より透析患者において透析直後の血漿BNP濃度は長期生命予後の独立したリスク因子であり,血漿ANP濃度もリスク因子としてBNPに次いで重要であることが示された.

• 獨協医科大学の論文

著者

• 松岡 博昭

  獨協医科大学循環器内科

• 平田 恭信

  東京大学循環器内科

• 鈴木 正志

  日本赤十字社医療センター腎臓内科

• 松岡 博昭

  獨協医科大学内科学(循環器)

• 松岡 博昭

  獨協医科大学 循環器内科

• 後藤 淳郎

  東京大学内科

• 平田 恭信

  聖マリアンナ医科大学 腎臓・高血圧内科

• 寺西 恵

  日本赤十字社医療センター腎臓内科

• 宮下 和久

  日本赤十字社医療センター腎臓内科

• 古寺 理恵

  日本赤十字社医療センター腎臓内科

• 斉藤 克典

  日本赤十字社医療センター腎臓内科

• 石井 策史

  日本赤十字社医療センター腎臓内科

• 後藤 淳郎

  日本赤十字社医療センター腎臓内科

• 西山 敬介

  日本赤十字社医療センター腎臓内科

• 西山 敬介

  日本赤十字社医療センター

• 西山 敬介

  中目黒クリニック

• 平田 恭信

  東京大学医学部循環器内科

• 古寺 理恵

  日本赤十字社医療センター

• 平田 恭信

  日本赤十字社医療センター 腎臓内科

• 後藤 淳郎

  日本赤十字社医療センター

• 平田 恭信

  東京大学 大学院器官病態内科学 循環器内科学

• 平田 恭信

  東京大学大学院医学研究科循環器内科

• 平田 恭信

  東京大学医学部附属病院先端医療開発講座

• 松岡 博昭

  内科学(循環器) : 健康管理科

• 松岡 博昭

  獨協医科大学

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