日本における認知症ケアの人材養成の現状と課題 : 専門研修と専門資格制度の整理から
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概要
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本稿は、わが国における認知症対策のうち、質的整備の中で最も遅れてきた認知症ケアの人材養成について、1970年代からの認知症対策の歴史的展開を概観しながら、認知症ケアに特化した専門研修制度と専門資格制度について整理し、現状を述べた。その結果、専門研修は階層的な構造を有し、全国的な広がりを見せていることから「認知症ケアの基盤」となっている。また、専門資格制度は、先立って、認定看護師制度が確立しており、続いて学会認定の専門士制度の創設となった。昨年度には、介護福祉士も認定専門資格制度のモデル事業が終了し、近く創設されると予想できることから、これらの資格は、「認知症ケアの牽引役」と考えられる。認知症ケアにおける研修や資格は、ケア現場で協働しながら効率的で効果的なケアの提供に結びつかなければならない。専門研修や専門資格制度をケア現場がどのようにその知識や技術を評価し、活用するかというシステムや職場研修制度(OJT)の構築が未整備である課題が残った。
- 東北文化学園大学の論文
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