コントラスト感度特性を利用したスケーラブル符号化の高能率化(ITS画像処理,映像メディア及び一般)

概要

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映像符号化において、人間の視覚特性を利用し符号化性能を向上させる研究がなされている。視覚劣化が目立ちにくい領域を選定し、その領域に割り当てる情報量を少なくすることで、主観画質を損なわずに符号量の発生を抑制できる。この一例として、コントラスト感度特性を考慮した視覚的歪みモデルを構築し、それをH.264/AVCのモード選択に適用することで符号化性能の向上を実現する手法が提案されている。本稿では、同手法を改良し、コントラスト感度特性を利用した標準スケーラブル符号化方式SVCの高速化手法を提案する。SVCは、H.264/AVCのスケーラブル拡張した標準方式であり、その符号化の高速化が今後の課題となっている。本稿では、SVCのモード選択において視覚的歪みモデルを利用し、さらに同処理を高速性の実現に向けた処理へと改良する。また、視覚的歪みモデル自体の改良も行う。提案手法により、SVC参照エンコーダと比較して、符号量の増加を抑制しつつ、符号化速度の高速化を実現した。
社団法人電子情報通信学会の論文
2008-02-11