インターネットを介した遠隔周波数比較に関する一検討(無線ネットワーク)

概要

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無線システムや計測システムでは、正確な周波数が必要とされている。しかし、基準周波数発生器として使われる原子時計でも、経年変化によって周波数ドリフトを生じるため、定期的な周波数校正が必要である。そこで、本論文ではGPS信号などの電波の届かない屋内でも使用可能なインターネットを利用した遠隔地の周波数比較技術について検討したので報告する。周波数の差は、時計の進み方の差として現れるので、遠隔地の時刻情報をインターネットを介して送信し、受信側の時計との時刻差を観測し、時刻差の変化分から周波数差を推定する。この観測方法は、片方向遅延の計測と同一であるが、真のネットワーク遅延だけでなく、時計の誤差とを含むため、疑似遅延と呼ぶことにする。インターネットのトラヒックは常に変動しているため遅延時間も変動し、静的な統計処理で遅延時間を推定し、時計の誤差を求めることは困難である。そこで、ネットワークの状態が落ちついていると考えられる極短期間から疑似遅延の代表値候補を抽出し、複数の代表値候補のメジアンを代表値とする。更に代表値の変化を最小二乗法によって周波数を推定する。提案手法により、加入者用光回線をアクセス回線(片方向遅延の標準偏差1ミリ秒以上)として、インターネットを介した1週間程度の観測で10^<-11>台の精度で周波数を比較することが可能となった。
2008-02-28

インターネットを介した遠隔周波数比較に関する一検討(無線ネットワーク)

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