振り子の特性に関する概念獲得と観察・実験活動に見られるメタ認知 : 小学校第5学年「振り子のはたらき」を事例として
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概要
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本研究の目的は,「振り子のはたらき」の授業を通して,観察・実験活動における振り子の特性に関する概念獲得と子どものメタ認知的活動の実態を探ることである。小学校5年生を対象に実践授業を行い,以下のことが明らかになった。(1)振り子の特性に関する概念の獲得状況の調査から,観察・実験活動において,振り子の特性に関する3つの要素の中で,1つの要素について正しい考え方を持っている子どもより2つの要素について正しい考え方を持っている子どもの方が,科学的概念を獲得しやすい状況にあった。(2)観察・実験活動終了直後に行った再生刺激法による子どもの内省報告を検討した結果,概念を獲得した多くの子どもたちは,実験前に持っていた考えと実験結果が一致しなかった要素に関して考えをめぐらしながら観察・実験を行っている傾向にあった。(3)概念獲得群と概念未獲得群の子どもの内省報告の事例を比較検討した。概念を獲得した子どもの事例から,実験前に持っていた自らの考えと実験結果が一致しなかった要素に関してメタ認知的活動を働かせていることが見いだされた。
- 日本理科教育学会の論文
- 2007-11-30
著者
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