多層カーボンナノチューブ分散Nafion^[○!R]膜修飾グラッシーカーボン電極と疎水性陽イオン界面活性剤を用いる17β-エストラジオールの濃縮ボルタンメトリー(<特集>若手研究者の初論文)

概要

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多層カーボンナノチューブ(MWCNT)を分散させたNafion溶液をスピンコーティング法によりグラッシーカーボン(GC)表面に薄膜として修飾させた電極を用い,疎水性の高い陽イオン界面活性剤(ゼフィラミン,塩化ベンゼトニウム,臭化セチルトリメチルアンモニウム)共存下における17β-エストラジオール(E2)の電気化学的応答を調査した.Nafion膜を修飾したGC電極を用いた場合,E2の電気化学的酸化応答は支持電解質溶液に陽イオン界面活性剤を添加することにより大きく増加した.更に, MWCNTを分散させたNafion膜修飾GC電極では,Nafion膜修飾GC電極と比較して,約2.5倍高いE2の酸化応答が得られた.本研究で用いた陽イオン界面活性剤によるE2の電流応答増大効果は,ゼフイラミンで最も高く得られることが示された.この現象を利用し,濃縮ボルタンメトリーによるE2の簡便・高感度定量を試みた結果,定量範囲は5×10^<-8>〜1×10^<-5>M,検出限界は6×10^<-9>であった.
社団法人日本分析化学会の論文
2008-08-05