廃乳酸菌を栄養源として利用した乳酸発酵(<特集>循環型社会を支えるラクテートインダストリーの新たな研究潮流)
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概要
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ポリ乳酸は,植物を原料とし,生分解性を有するため,環境に優しい次世代のプラスチックとして注目されている.その原料となる乳酸には,高い光学純度が要求され,糸状菌Rhizopus oryzaeなどにより発酵生産されている.糸状菌による発酵は,糖源と無機塩類のみで純度の高いL体の乳酸を生産でき,培地コストの点で有利である.しかしながら,生産性が乳酸菌と比べて低く,酵母エキスをわずかに添加するなどによりいくらか改善されるものの,飛躍的に向上させることが困難であるため,乳酸菌に適した安価な培地の開発が望まれる.これまでの研究において,R. oryzaeによる連続発酵における生産性は約1.5 g/(l・h)であったが,乳酸菌による発酵に電気透析を組み合わせることにより13 g/(l・h)以上の高い生産性で乳酸を連続生産することに成功している.一方,最近は耐熱性などの性状に優れるポリL-乳酸とポリD-乳酸からなるステレオコンプレックスに期待が寄せられているが,D-乳酸は乳酸菌により生産され,培地開発の重要性が高まってきている.本研究では,乳酸菌Lactobacillus rhamnosusによる乳酸発酵を例として培地コストの低減を試み,より安価な栄養源として廃乳酸菌など廃棄物の利用を検討した.
- 2008-07-25
著者
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