前立腺がん発症後における食事・食事成分の進行抑制効果
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概要
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米国における前立腺がんの5年生存率は, 1974-1976年の67%から1989-1995年の92%へと上昇しているが,アメリカでは依然として男性のがん死亡の第2位を占めている.一方,日本も含めてアジア諸国では,まだ発症率は低いが,米国生まれの日本人2世集団の前立腺がん発症率は, 1世集団と比較して4-9倍であるという報告がある.また, 1978年からの20年間でアジア諸国での前立腺がん発症率は約2倍になっている地域もあることが報告されており,これらの前立腺がん発症率の増加の一因として食事の西洋化が推定されている.このような推定の根拠となった疫学調査報告として,乳製品,全脂肪摂取量,牛肉等の肉類の摂取と前立腺がん発症率の正相関がある.一方,大豆製品,食物繊維含有食品,アブラナ科野菜,リコピン,ビタミンEの摂取と前立腺がん発症率の逆相関に関する報告がある.また,前立腺がん進行の評価系として前立腺特異抗原(Prostate Specific antigen : PSA)測定が実用化されていることから,食事由来成分と前立腺がんの生存率に影響する報告が増えてきている.このトピックスでは,植物由来成分の前立腺がん進行および発症に関する観察研究,介入試験等の報告に関する総説を紹介する.
- 2008-07-25
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