林業・森林政策の新たな展開と山村問題の焦点(統一テーマ:林政の転換と市町村の役割,1998年秋季大会論文)

概要

論文の詳細を見る
林業基本法以降のわが国における林業・森林政策の展開過程を,基本法林政,地域林業政策,流域管理政策に代表せしめて整理するとともに,流域管理政策の実施以降に提示された新しい政策の特徴と問題点を考察した。地域林業政策は基本法林政の否定のうえに実施され,両政策のあいだに連続性はないが,地域林業政策と流域管理政策は基本的に同じ枠組みを採用している。地域林業政策の特徴は川上と川下の連携を図りつつ,外材支配体制のなかで産地化を追求することだったが,流域管理政策は基本的にこの枠組みを継承し,さらに強化することに狙いを置いている。しかし両政策をめぐる客観的条件は,人工林資源の充実度合いなど決定的に異なる面もある。流域管理政策の実施以降,森林・山村対策をはじめ多くの政策等が矢継ぎ早に提示され,1990年代の林業・森林・山村問題に関する新しい枠組みが決定された。それは,森林の公益的機能を前面に打ち出し,山村を多自然居住空間と位置づけながら,林業の地域的取り組みを強めようというもので,山村に対する今日的な危機管理政策である。そのなかで,地方分権,地方財政措置,直接所得補償など新しい課題も提起されている。
林業経済学会の論文
1998-10-01

林業・森林政策の新たな展開と山村問題の焦点(統一テーマ:林政の転換と市町村の役割,1998年秋季大会論文)

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク