「北海道森林整備担い手対策事業」の特徴とその意義
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概要
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日林誌84:166〜174,2002近年,若い年代の林業労働者数が若干ながらも増加しているので,林業労働間題の深刻さは緩和されたという理解があるが,筆者らの見解は全く異なる。その労働条件は依然として低く,林業労働問題の現状と将来は大い危惧される。そうした状況を踏まえて,北海道は1993年より「北海道森林整備担い手対策事業」を開始した。この政策は自治省・林野庁・国土庁が共同して同年より開始した「森林・山村対策」の一環である,基金の設置に基づいて実施されている。本報告は,同「事業」の特徴と問題点を明らかにするとともに,北海道内の林業事業体にアンケート調査を行って,林業事業体が同「事業」をどのように評価しているか検討した。またその調査結果を踏まえて,今日の林業労働問題の核心を考察した。現在,林栗事業体の最大関心事は仕事量が極端に減少していることであるが,林業労働の現状と将来にも大きな不安をいだいている。それだけに林業事業体は同「事業」に対して一定の積極的評価を下している。同「事業」の今後の展開が注目されるところである。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 2002-08-16
著者
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