脳性マヒ児における形と色の知覚についての研究
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概要
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本研究は、脳性マヒ児の形・色反応における反応の度合や特徴を、特定の場面での反応だけでなく、条件の差異が反応傾向にどのように影響するか、別の反応様式での反応の分析など検討した。その結果、つぎのような点が明らかになった。1.脳性マヒ児の形色反応は形反応とともに混合反応が多く、色反応が少ない。2.脳性マヒ児は、年令段階に基づく、反応傾向の変化はみられず、明らかではなかった。3.脳性マヒ児は、標準図形のもつ図形特性の影響を受けやすい傾向がみられた。4.条件(教示)の差異による影響は認められず、いずれの条件も同じような反応傾向を示した。また、形と色を同時に認知する反応転換は非常に少なかった。5.命名作用による反応様式は、知覚作用による1の結果とほぼ同じ傾向がみられ、正常児と異なっている。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1972-12-01