病弱・虚弱児の行動理解への現象学的アプローチ
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概要
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本論文は、病弱・虚弱児の行動理解における理論的ならびに方法論的の指針を得るべく、以下の2点に着目した。すなわち、(1)わが国における病弱・虚弱児の行動に関する研究を概観することによりそこでの諸知見と理論的ならびに方法論的問題を明らかにする。(2)病弱・虚弱児の行動理解にとって示唆的であると思われる現象学的見地から問題提起を試みる。このため、わが国における病弱・虚弱児の行動に関する諸研究ならびに人間の行動への現象学的アプローチについての文献が検討された。この結果、以下の諸点が明らかにされた。(1)わが国における病弱・虚弱児の行動に関する研究は専ら彼らの行動の一般的特性に関心を向けており、彼らの行動の個人差に対してはほとんど注目していない。(2)病弱・虚弱児の行動の個人差の理解にとって、現象学的アプローチは示唆に富む。(3)病弱・虚弱児の行動の個人差の理解において、彼らの個人的記録は有用である。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1972-12-01
著者
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