肢体不自由児の要求水準行動における個人差へのアプローチ : 社会心理学的変数の役割について
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概要
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本論文の主な目的は,肢体不自由児の要求水準行動における個人差の問題にアプローチするために,身体障害(肢体不自由)の基底にある"社会心理学的変数"の役割について考察を試みることにあった。このため,正常児および肢体不自由児の要求水準行動,"Somatopsychology"等々に関する文献研究が行なわれた。この結果,肢体不自由児の要求水準行動における個人差の問題にパーソナリティ変数を媒介変数としてアプローチするにあたっては,身体障害の基底にある"社会心理学的変数"と彼らのパーソナリティや行動との関係について考察することが必須の要件であること,このためには少なくとも以下のような一連の探究過程(手順)をたどる必要があると考えられた。(1)身体障害の基底にある"社会心理学的変数"において,肢体不自由児間で個人差が認められるか否か。もし認められるとすれば,それはどのような変数においてか。(2)そうした変数と要求水準行動の一規定因としてのパーソナリティ変数とはどのような関係にあるか。特定の関係が認められるとすれば,どのような関係で,かつそれはなぜか。(3)そうしたパーソナリティ変数において個人差が認められるか否か。もし認められるとすれば,どのような変数においてか。(4)肢体不自由児間で個人差の認められたパーソナリティ変数と彼らの要求水準行動とはどのような関係にあり,かつそれはなぜか,というような問題である。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1971-12-01
著者
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