ダウン症乳幼児における姿勢・移動運動と共同注意行動の発達的関連
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
これまでにも、ダウン症乳幼児に対する動作法の効果として、姿勢・移動運動領域における効果が示されてきた。一方で、こうした姿勢・移動運動の獲得は、言語やコミュニケーション能力との発達的関連があることが、定型発達をモデルにした研究で示されてきた。そこで本研究では、1名のダウン症乳幼児に対して11〜24か月齢までの期間に動作法を実施し、その姿勢・移動運動の発達パターンと共同注意行動の発達プロセスを比較検討した。共同注意行動の発達評価には黒木・大神(2003)によって標準化された「共同注意発達評価指標」を用い、姿勢・移動運動パターンと合わせて分析することにした。その結果、まず共同注意発達年齢は、特に伝い歩きや独歩を獲得した後に顕著に上昇していた。さらに、共同注意行動の出現の直前には、姿勢・移動運動パターンの変化が起きていた。また、交互凝視が明確に観察されず、視覚的注意の操作にダウン症特有の困難があることが示唆された。
- 2005-01-31
著者
関連論文
- 発達障害のある子どもの対人関係支援法の探求(1) : 自閉症の「情動」に関する研究の最前線(自主シンポジウム9,日本特殊教育学会第45回大会シンポジウム報告)
- 自閉症児・者における表情の表出と他者と自己の表情の理解
- ダウン症乳幼児における姿勢・移動運動と共同注意行動の発達的関連
- 幼児における自分自身の表情に対する理解の発達的変化
- 自閉症者における状況からの他者および自己感情推測
- 幼児における状況手がかりからの自己情動と他者情動の理解
- ダウン症乳幼児に対する運動発達援助の意義と留意点
- 自閉症における自己と他者, そして心 : 関係性, 自他の理解, および情動理解の関連性を探る
- 発達障害のある子どもの対人関係支援法の探求(4) : 広汎性発達障害児への情動認知と情動制御の支援(自主シンポジウム53,日本特殊教育学会第48回大会シンポジウム報告)