精神遅滞児(者)の外的指向性に関する発達的研究
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概要
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課題達成場面で精神遅滞児(者)は多種多様な動機づけ特性を表すことが知られている。そのなかから外的指向性およびその発達に注目する。精神遅滞児(者)は健常児と同じように外的指向行動から内的指向行動へと発達的に変化するのであろうか。被験対象者は3MA水準(5歳代、8歳代、9歳代)に区分される。三者択一の大きさ弁別学習事態で2つの負刺激のうち1つにランダムにランプが各試行前点減される。最大許容試行数は50であり、そのうちで7連続正反応を課題基準達成とする。その結果、手がかり誤反応数および手がかり誤反応率ともに、健常児群が全体として低く、発達の上昇に伴って減少させたのに対して、精神遅滞児群は低MAレベルから中MAレベルにかけて減少の傾向を示すものの、高MAレベルで最大の誤反応数(率)を示した。これは発達に伴う広範囲な失敗経験による外的指向性の増大であると考察された。
- 2003-09-30
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