吃音の受容過程に関する面接調査による検討
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概要
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成人期まで持続した吃音は、慢性化し完全な改善が見込めないといわれる。本研究では、7名の成人吃音者を対象に行った面接調査から、吃音の受容過程について検討した。対象者はいずれも吃音者のセルフ・ヘルプ・グループに参加するメンバーであり、面接調査では生育歴の時間軸にそって、吃音の状態や吃音に対する意識、吃音に関連した行動について質問した。吃音の自覚と悩みの始まりは同時期ではなく、その後の体験の積み重ねを通して、吃音に対する価値観や吃音をもつ自己像が変化していった。また、吃音場面のたびに感情の揺れが振り子状に生じ、これは受容が進んでも揺れの幅を縮めながら存在した。対象者の参加するセルフ・ヘルプ・グループでの活動は、吃音の受容を促す社会参加の機会として働いていることが考えられた。
- 日本特殊教育学会の論文
- 2003-09-30
著者
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