聴覚障害者の物語の読解に対する手話表現付加の効果
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概要
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本研究は、ろう学校高等部の生徒を対象として物語の記憶と理解に与える手話提示の効果を、「日本語とは文法構造が異なる手話」(以下,手話表現1)と「日本語に対応する手話(以下,手話表現2)」という2種類の手話の構造の違いと、被験者の読書力という2つの要因から検討したものである。被験者は課題文を読んで事実レベルと心情レベルの質問に答えることが要求され、課題文は文章(文字)のみと、文章と手話表現1、文章と手話表現2の3つの方法で提示された。その結果、手話表現1を提示することの効果は、読書力上位群、読書力下位群の両群の事実レベルの質問と心情レベルの質問の双方に対して認められるという全般的なものであり、手話表現2の効果は、読書力下位群の事実レベルの質問に対してのみ顕著であるという限定的なものであった。
- 日本特殊教育学会の論文
- 2000-01-30
著者
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