常同行動の激しい重度精神遅滞児に対するかかわり方の工夫について(実践研究特集号)
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概要
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終日にわたり様々な常同行動を行うため、施設の職員からかかわりにくいと評価されている重度精神遅滞を持つ一人の子どもに対して、周りとの関係の中で何らかの意味を持ち得るような常同行動もあると考え、日常生活の中でより円滑なかかわりが可能となるアプローチの探求を試みた。かかわりにくさの主因であると同時に、周りからの影響を受ける常同行動を対象にして、それが行われる状況別に、子どもの行動や筆者の働きかけによる変化を検討した。その結果、状況によっては、常同行動を子どもの状態を表す一種のサインとして読み取り、それに応じたかかわり方を導くことができた。また、周りとの関係の中で意味を見出せない場合でも、かかわり方の工夫によって、より適切な対応が可能となった。職員に対するこれらの伝達は、今後の課題として残されたものの、常同行動を含めた子どもの行動全般を詳細にとらえることの重要性が改めて示唆された。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1996-03-30
著者
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