介助者に対する摂食指導の効果と要因に関する事例研究(実践研究特集号)
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概要
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本論文では、介助者への実技指導に重点をおいた摂食指導の方法について述べ、ある発達遅滞児の機能獲得までの経過を通して、指導の効果とその要因を検討した。指導は3歳から4歳7ヵ月までの1年7ヵ月間行った。対象児の口腔・摂食機能評価と、介助者に対して行った食事環境評価については、それぞれ作成した評価表を用いた。結果は、摂食機能の向上、よだれの著しい減少を得た。また、介助者に知識や技術を習得させる際に、実技指導を中心に行ったことで、日々の食事介助ですぐに活用されやすく、機能発達促進の一助となった。食事環境の指導では、単に知識や技術の提供に終始しがちになる点に注意する必要がある。生活の中で食事が、親子にとってどのような役割や意義を持ち得るかといった質的な側面への働きかけが重要であり、介助者の意識改革を促していくことの必要性が示唆された。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1996-03-30
著者
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