中度精神遅滞児の言語表出に対する誘導質問の効果
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概要
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本実験ではITPA言語学習能力診断検査(ITPA)の下位テスト「ことばの表現」を手引通りに実施した場合(自力試行)のPLAと対象物の分析の観点を指示する誘導質問をともなわせて実施した場合(援助試行)のPLAを比較して、誘導質問が言語表出に及ぼす効果を発達的に検討した。自力試行のPLAはMAより1歳から1歳半低かったが、援助試行ではMA相当、あるいはそれ以上のPLAが得られた。このような誘導質問の効果はMA4歳、5歳の中度の精神遅滞児でより顕著であった。誘導質問の効果の現れ方の相違からカテゴリーは2種類に分かれた。第一は、自力試行でも援助試行でも多くの者が言及したが、援助試行で一人当りの表出語彙数が増加したカテゴリーである。第二は、自力試行では言及する者がほとんどいないが、援助試行でほとんどの者が言及したカテゴリーである。このことより、誘導質問には言語表出を促す効果と対象物の分析を促す効果のあることが示唆された。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1995-11-30
著者
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