中度精神薄弱児の利き手の発達について
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概要
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従来の研究では、CA、あるいはMAを十分に統制しないで、各タイプの利き手の出現率が精神薄弱児群と普通児群との間で比較されていた。本研究では、出現率の他に、利き手の明瞭さの程度についても精神薄弱児群と同一MA普通児群の間で比較を行うことにした。このような目的から、9種類の対象物を右側、真中、左側に提示し、各側での右手反応数と、対象物の提示位置にかかわりなく常に同じ手の使われる(従って、利き手の安定している)動作数を記録した。その結果、以下の事が判明した。(1)利き手の明瞭さの程度はMAによって規定されている。(2)普通児群では利き手の未確立な子どもが年齢にともなって減少する。これは、潜在的に非右利き傾向をもった者が右利き社会に適応する者と適応できない者とに分離するからであろう。(3)精神薄弱児群ではこのような減少はみられない。何らかの脳損傷が利き手の未確立の原因になっているからであろう。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1984-03-31
著者
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