ダウン症児における利き手と言語発達の関係
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概要
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ダウン症児の言語発達の特徴として、理解面にくらべ表出面の発達が著しく遅れることが指摘されている。言語発達のこのような特徴をラテラリティの未発達としてとりあげることを試みた。55名のダウン症児に利き手テストと言語発達テスト(アンケート式)を実施して、ダウン症児群での非右利きの出現率を明らかにし、表出言語の発達の遅れと利き手との関係に検討を加えた。非右利きの出現率は高く(36%)、病理型精神薄弱児群のそれに近いものであった。表出言語の発達の著しい遅れは、非右利きの者にはあまりみられず、主に右利きの者にみられた。このことは、ラテラリティの未発達を言語機能に関して両半球間の優位・劣位の関係が弱い状態としてとらえる可能性を示唆している。この可能性を実証するにはラテラリティの発達的変化を直接的に反映した指標が必要である。表出言語の発達の遅れに関係する要因として認知発達の程度も考えられた。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1987-06-30
著者
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