精神遅滞児の助詞表現を促す指導と評価 : 言語表現能力を高める試みとしての一例(実践研究特集号)

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概要

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言語発達遅滞が顕著な11歳の一精神遅滞児に言語表現を促す指導の一環として、助詞の指導を計18回行った。本児は言語的課題に回避的なので、視覚的に課題を提示するようにし、動機づけを高めるために本児の生活に密着した教材作りを行った。指導の効果は、第1のレベルとして、指導内容に比較的類似したテストの成績を比較することにより検討した。その結果、助詞の使用が増加する傾向が認められ、正答率も高まった。特に主格としての格助詞「が」の理解が定着した。第2のレベルとして、一般的な発達水準を評定するために、ITPAとビネー知能検査を行い、指導の前後で比較した。注目すべき得点の上昇は、ITPAの「ことばの表現」に現れた。さらにプロトコルを分析すると、助詞表現の増加が示され、結果として言語表現が多様化した。このことは、助詞表現の習得が言語表現活動全般を活性化することを示唆するものであった。
日本特殊教育学会の論文
1995-03-31

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