障害幼児の統合保育をめぐる課題 : 状況要因の分析
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概要
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障害を持つ幼児を障害を持たない幼児の集団の中で保育するという統合保育については、その利点が多くの研究者によって示唆されているが、実際に成功するための条件は複雑である。本研究ではわが国と米国の文献を概観し、統合保育を行う上で考慮すべき要因を相互行動的立場の状況要因の視点から分析した。分析した状況要因は、(1)概念的要因、(2)障害を持つ幼児の要因、(3)プログラムの要因、(4)障害を持たない幼児の要因、(5)保育者の要因、(6)園の要因、(7)療育専門機関の要因であり、これらの諸要因を検討せずに統合保育の有効性を論ずることはできない。また、今後の課題として、実際の統合保育場面での実践研究、保育者と療育専門家との共同研究、統合保育の専門性の確立、統合保育が困難な幼児への対策、保育場面以外での社会的統合を挙げた。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1994-11-30
著者
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