弱視者の明度弁別に関する研究

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概要

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弱視者用の図を作製する際の指針の一つとするために弱視者及び視力が正常な者(合計22名)の明度弁別閾の測定を行った。色彩弁別検査器(日本色彩社製)の明度弁別用のものにより実験1を行い、偏差の合計により弁別力に影響を与えている因子を検討し、正確に色牌(色のこま)を並べられない者に対しては一つあるいは二つおきの番号を選び出して並べさせ、大まかな弁別閾を測定した。更に実験2は標準色紙を加工し、1.5cm×1.5cmの正方形の色紙をモザイク状に張り合わせた図に近い形の実験材料を用いて弁別閾を測定した。その結果以下の結論を得た。実験1の色彩弁別検査器においては明度差N0.64をもって全被験者が弁別可能であった。実験2の実際の図に近い形では近距離視力0.04〜0.09で弁別力が劣り、それは明度が低いN1.5〜N3.1の範囲であった。また、無彩色だけで弱視者用の図を作成する場合はN0.64より大きい明度差が必要であることが分かった。
日本特殊教育学会の論文
1994-09-30

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