喘息児における呼吸機能の客観的測定値と主観的症状
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
6名の喘息児において、ピークフローの測定と身体状況の主観的報告の記録、行動観察を7ヵ月から19ヵ月間実施した。-1SD以下を示す日について、身体状況に関する主観的記述と行動観察の内容を比較検討した。その結果、正常な呼吸機能の水準と測定値・主観的症状の両者とも異常を示す水準との間に、測定値上は異常でも主観的には異常を認知できない水準が存在することが明かとなった。この水準は、病状が不安定であるほど広いことも確認された。異常を主観的には認知していなくても、行動全般や観察者への対応の変化が観察されることが多いことも分かった。このような変化は、子ども達が病状悪化に起因する何らかの情報を受信してはいるが、その情報に病状悪化の「信号的意味」を付与できるまでには至っていないことを示唆する。このような知見から、主観的症状と対応させた客観的指標の活用が、自己管理能力を獲得させる上で効果的であることが推測された。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1994-06-30
著者
関連論文
- 脊髄性筋萎縮症幼児のコミュニケーション能力形成のための形選びゲームの可能性(インターネット関連技術の教育応用/一般)
- 1P2-N-071 進行性脊髄性筋萎縮症幼児のコミュニケーションのための補助おもちゃの検討(メカトロニクスと遊ぶ,生活を支援するロボメカ技術のメガインテグレーション)
- 2P2-1F-F8 脊髄性筋萎縮症の幼児とのコミュニケーション装置の開発
- 病気や障害のある子どもたちへの支援と学校保健の役割
- 小・中・高等学校における慢性疾患児への教育的支援 : 特別支援教育の中の病弱教育
- 血友病性出血の発生・悪化及び抑制に関わる行動的要因
- 病気や障害のある子どもたちへの支援と学校保健の役割
- 喘息児の病状変動と生活管理 : 喘息児における日常生活のストレスと呼吸機能との関連 :高校入試と呼吸機能の関連に関する分析
- てんかん発作と学校生活
- 喘息児の呼吸機能の推移とその認知の改善 : ピークフローメーターを用いた測定結果のフィードバックを通して
- 特殊教育諸学校における健康情報の管理
- 慢性疾患児の心理特性に関する研究
- 喘息児における呼吸機能の客観的測定値と主観的症状
- 気象と喘息
- 一般・領域別8 教育と医療(日本特殊教育学会第30回大会研究発表報告)