健常およびダウン症新生児の視、聴覚刺激に対する定位反応の発達心理学的研究
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概要
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本研究では、健常新生児(9名)とダウン症新生児(5名)を対象に1日から36日齢まで、2〜6日おきにペンライトとブザーによる単純光、音刺激(静止および移動)を呈示し、それらに対する様々な視、聴性行動反応の発達的変化を縦断的に比較検討し、以下の結果を得た。健常新生児の場合、1日〜1週齢の「防御反射期」と2〜3週齢の「定位反応発生期」さらに3〜4週齢の「定位反応充実期」と呼べるような三つの発達的変化相を示すが、ダウン症新生児の場合には、4、5週齢まで主として「防御反射期」にとどまる。また注視と追視の発達は、健常新生児では前者が2〜3日齢、後者が7日齢頃から始まって漸進的に進行し、どちらも1ヵ月齢頃に一定の安定性を獲得する。他方、ダウン症新生児では注視が2週齢、追視が3週齢前後から多少認められ始めるが、どちらも1ヵ月齢では安定性を得るまでには至らない。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1993-01-30
著者
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