重度・重複障害児と教師の相互関係の変容過程の分析
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概要
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本研究は長期のCTI (Child Teacher Interaction)を分析するための方法を詳しく検討し、同時に、その分析方法に基づいて、重度・重複障害児に対する教師の教育課題の設定の特徴を考察することを目的とした。手続きとして、連絡帳の記述内容をデータとし、記述テーマによって単位化し、記述内容を『所見』『所感』『かかわり』の3要素で分析した。量的分析の結果に基づいて3要素の質的分析を行い、子どもの行動の予測性、教師の教育課題の設定の特徴が明らかにされた。3要素の関係は粗から密への変化を繰り返す。密な関係にある時の方が仮説検証的関係が進行している可能性が高い。仮説検証的関係は情緒的関係と相補的関係にあり、心理的に強いインパクトがあって、何らかの情緒的な体験をすることによって課題解決意欲が高まった時に深まることが示唆された。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1991-09-30
著者
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