Ecological Psychologyの視点から考察した重度・重複障害児のための教育課題の設定
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概要
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特定の場の個別的特性に依存しながら自己の生活を広げていこうとする重度・重複障害児の教育課題は場の特殊性に基づいたheuristicな手続きによって明らかにされるべきであること、また、その手続きの開発が必要であることを明らかにした。手続きの根拠をbehavior settingにおける子供と教師の相互関係(CTI)の発展として理論化した。Barkerのbehavior settingの概念に依拠しつつ、settingが教育的枠組みを与える可能性について考察した。子供の価値観(個別的特性)に基づきながら、同時に教師の価値観(文化的教育意図)を反映するbehavior settingにおける問題性の把握を通して、相互関係に見られる子供と教師の行動の予測性、仮説を立て、子供と教師の相方に課題を設定し、又は修正する手続きの基本概念を示した。具体的手続きは日常的経験情報を実際の指導場面で見られるミクロのCTI、1〜2ヵ月の学習単元を単位として見られる中間的CTI、半年〜1年を単位として見られるマクロ(長期)のCTIの3段階のレベルにおいて客観化するものとなることを示した。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1990-09-25
著者
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