重度精神遅滞児に対する動作訓練法の効果 : 行動と姿勢の改善過程
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本事例研究は、重度精神遅滞児に動作訓練法を適用し、その効果を腕上げ動作コントロール訓練遂行中の問題行動(首ふり、唇の開閉、抵抗としての手動、舌出し、白眼)および目標行動(訓練者との視線の合致、発声)の生起頻度、日常生活での遊び場面における子供の反応、姿勢の変容という観点から客観的に検討したものである。訓練は母親によって行われたが、母親訓練時に示される問題行動は着実に減少し、目標行動も増加した。この傾向は訓練者が変わっても同様に示され、また、家庭での遊び場面においても、母観の顔を覗き込み、笑顔を見せる頻度が増えるなどの変容をみせた。さらに、訓練セッションを経るにつれて対象児の姿勢が改善されるという変化も確認された。本研究により動作訓練法の効果は、訓練場面だけに限らず、訓練者以外の対人関係、日常生活、姿勢などの多くの側面で示されることが客観的に裏づけされた。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1988-11-30
著者
関連論文
- 高機能ASD包括的小グループ支援モデルの構築に向けて : 個別支援集団心理療法・語用論的アプローチ・ソーシャルスキルトレーニング(自主シンポジウム33,日本特殊教育学会第47回大会シンポジウム報告)
- 通常の教育における発達支援に関する諸問題 : 教育・心理・医学の立場から(自主シンポジウム9,日本特殊教育学会第38回大会シンポジウム報告,実践研究特集号)
- 大学生の持つ「自閉症」イメージに関する調査研究 : 日本語名称"自閉症"の生み出すイメージ
- 障害児教育における研究と実践の結びつきを考える : コミュニケーションと身体を中心に
- 右大脳半球損傷に伴う構成障害に対する言語化訓練の効果
- 重度精神遅滞児に対する動作訓練法の効果 : 訓練継続による効果の増大
- 重度精神遅滞児に対する動作訓練法の効果 : 行動と姿勢の改善過程
- ことばの韻律と共感覚コミュニケーション