精神薄弱児における人物画発達検査の併存的妥当性
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概要
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本研究は人物画発達検査(DAM)の併存的妥当性を検討する目的で、中・重度を中心とした精神薄弱児50名を対象として、DAM、ベンダーゲシュタルトテスト(BG)、WISC-Rを実施し、その3者関係を偏相関係数、重回帰分析により分析した。その結果、以下のことが明らかになった。男性画IQとの関係で、(1)最も高い正の相関係数を示したのはBGIQである、(2)WISC-RではPIQ、FIQ、VIQの順に相関係数が高かった、(3)しかし偏相関係数では有意なものはBGIQだけであった、(4)重回帰分析でもWISC-Rの各IQは有意な説明変数ではなく、BGIQのみで有意な説明が可能であった。これらの結果から、DAMはいわゆる知能と言うよりは視覚・運動能力と関係が深いと結論できる。また本研究では、男性画以外にも女性画、同性画、異性画について、男性画、WISC-R、BGの関係について行ったものと同様の分析を行った。これらの3種の人物画でも、男性画とWISC-R、BGの関係と同様の関係が見いだされた。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1988-11-30
著者
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