身体成長と血友病性出血の悪循環
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概要
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血友病性関節症の発生を子どもの身体成長との関連で捉えて、療育の視点を得ることを目的として思春期・青年期にある5名の血友病児の出血動態を分析し、次の知見を得た。1)血友病性出血は年齢とともに増加し、特定部位に集中する傾向がある。2)出血の増加-集中傾向の発現様相は、漸進型と突発型の2種類に区分できる。3)出血の増加-集中傾向が顕著なのは、身長の年間増加量が最大となった年の翌年である。4)好発部位の出血以前10日間の出血動態は、3)で述べた年とそのほかの年ではその様相が異なる。出血の増加-集中傾向が顕著な年には、重症出血の3-4日前に他部位の軽症出血が多く観察される。この軽症出血の発生は漸進型で顕著である。以上より、血友病性関節症の抑制には、子どもの身体成長と日常の出血動態を考慮した療育が不可欠であることが示唆された。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1986-03-29
著者
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