血友病性出血の初期症状 : 感覚的及び情動的変化
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概要
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早期段階における血友病性出血の認知は、慢性の血友病性関節症や他の障害を予防する。著者は、出血を早期段階で認知し得る成人血友病患者8名の初期症状を調査し、その結果にもとづき、出血の早期認知の機序を検討した。出血の初期症状は、感覚的及び情動的変化の2群に分類でき、それらは、出血の進行とともに痛みへと推移し、出血部位へと収束することがわかった。また、これらの変化にもとつく探索的活動が生起することも確認された。感覚的及び情動的変化は、微小な痛み体験であり、出血の反復によって、出血の信号としての意味を獲得する。さらに、この信号は、重症出血の予防により正の強化をうける。感覚的及び情動的変化は、出血に関する記憶痕跡を選択的に賦活するとともに、中枢からの饋還を介して、脊髄膠様質での伝達活動の調整や意図的運動により変化を増幅する。この増幅によって、異常に関する情報量が増大し、すみやかな出血の同定が可能となる。
- 1984-03-31
著者
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