アメリカ聾教育におけるトータル・コミュニケーションの展開 : 1960年代における口話法の評価と手指使用の主張
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概要
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アメリカ聾教育において、1960年代末に「トータル・コミュニケーション」が台頭し、1970年代に急速に普及、発展していった。本稿は、1960年代において、(1)口話法と口話・手指併用をめぐる教育状況はどうであったか、(2)手指併用の主張者は口話をどう評価していたか、(3)併用主張者はコミュニケーション成立の必要性をどう主張していたか、を明らかにすることを目的とした。研究の結果、(1)口話法のみを主張する立場と、口話と手指の併用を主張する立場は、それぞれの論拠を有すること、(2)口話法は、その方法およびその教育成果を評価したとき、十分な成功をおさめているとは言えないという批判がみられること、(3)併用支持者は、手指のコミュニケーション上の有効性について、教育的、心理的、社会的な視点より主張していることが明らかになった。これらの動向は、後のトータル・コミュニケーションの台頭、展開に大きな影響を与えたと考えられる。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1983-03-30
著者
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