細胞膜の電気生理学的特性に基づくラット黒質緻密部の神経細胞分類について
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概要
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本研究では,大脳基底核黒質緻密部の局所回路特性の理解を目指して,ラット脳切片を用いて神経細胞の電気的特性を実験的に調べた.特に,黒質の神経細胞の電気生理学特性に基づく細胞分類の可能性を検討する為に,ホールセルパッチクランプ法を用いて細胞の膜電位と電流を計測した.その結果,まず,先行研究が示すように,活動電位の幅が広く低周波数で発火する神経細胞(第一細胞)と活動電位の幅が狭く高周波数で発火する神経細胞(第二細胞)の二種類に分類できた.次に,免疫組織化学法を用いて,電気活動を計測した第一細胞がドーパミン作動性(DA)であるかを調べた.その結果,第一細胞には,DAと非DAが混在していることが判った.さらに,第二細胞群をいくつかの電気的特徴からサブタイプに分類できるかを検討した.細胞間には,その特徴が大きく異なっているものが存在するが,細胞群全体の特徴パラメータはその空間上に連続的に分布しており,単純な基準ではサブタイプに分類することが困難であることが判明した.
- 2008-03-05
著者
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